住宅ローンの資金計画ガイド(2010-2011)



固定金利期間選択型はシミュレーションが重要

固定金利期間選択型は返済額のアップの上限がない?

固定金利期間選択型の場合、返済額見直し時の返済額のアップに対する上限がありません。

これは、毎月の返済額が大きく増えることにより、家計のやりくりが困難になる可能性もあるということです。

例えば、当初の固定期間優遇金利のみを見て、その優遇金利での返済額を見て現在の家計状況の中での返済の可能性を検証していた結果、優遇金利終了後の金利によっては、返済不能になってしまう可能性もあるわけです。

ちなみに、住宅金融支援機構が行っている『金利タイプ別 住宅ローン利用状況』などを見ますと、5割弱の人が固定金利期間選択型を選択しているようです。

このデータを見ましても、この人たちが、自分のライフプランや固定期間の金利と終了後の金利における返済額の計算等を十分考慮に入れて選択しているのであれば何も問題ないのですが、単に当初の金利の低さに目を奪われて選んでいるのだとしたら、かなりリスクが高いと言わざるを得ません。

固定金利期間選択型は、なぜ当初の支払額だけを見て選択してはいけないの?

例えば、ある信託銀行で当初固定期間優遇型の固定金利選択3年型を選択した場合(平成20年11月)の金利は1.6%(店頭表示金利3.3%)となっています。そして、固定期間終了後は店頭表示金利より0.2%の優遇となります。

もし、3,000万円を30年間で借りた場合には、当初3年間の返済額は、月々104,981円、4年目以降は135,237円というシミュレーションになります。

4年目以降の返済額は毎月3万円強増えることになり、これは年間では36万円以上の支出増となります。

つまり、この支出額の増加に家計が耐えられるのかどうかの検証を十分に行った上で住宅ローンを選択する必要があるのです。

よって、十分なシミュレーションを行なった上での選択の実行が必要といえます。


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